近年は気温上昇に伴い、スポーツの規則が変わりつつあります。
そんな中、ソフトテニスでもヒートルールが設けられ新たなルールとして注目を集めています。
ヒートルールって何?

ソフトテニスハンドブック
競技規則 第46条
会場での気温(乾球温度)が35℃以上となり、ファイナルゲームとなった場合、ファイナルゲームに入る前に、3分間のテニスコート内の日傘による日陰(アンパイヤ―の目が届く範囲)での休憩を許可する。
なお、3分間については、第17条(2)(※)の1分間を含むものとする
(1)団体戦の場合、1分間は助言を受けることができるが、残り2分間については助言を受けることができない。
(2)気温の測定にあたっては、大会責任者等がコートサイドの風通しの良い場所を決定し、1時間~2時間の感覚で実施する。
(3)会場で正確な気温が図れない場合は、環境省が提供する「暑さ指数(WBGT)」予測値等電子情報サービス」の会場地に最も近い地点でのWBGT値を参考とする。
※第17条(2)について
マッチ開始から終了まで連続的にプレーし、次の行為をしてはならない。ただし、サイドチェンジおよびファイナルゲームに入る場合は、ポイントの終了から1分以内に次のポイントを開始する態勢に入るものとする。(レッツプレー)
ア.相手がレシーブの構えをしているのにサービスをせず、又は相手方がサービスをしようとしているのにレシーブの構えをしないこと。
イ.故意にマッチを長びかせる行為をすること。
ウ.マッチの進行に支障となる状態でパートナー同士の打ち合わせをしたり、又は休息をとったりすること。
エ.ゲーム終了後次のゲームに移る構えをしないこと。
オ.ファイナルゲーム内のサイドのチェンジの場合に休息すること。
カ.ラケットを修理すること。
以上が第17条(2)に該当
詳しい規則はソフトテニスハンドブックをチェック

ヒートルールの意義
① 安全性の確保:熱中症による事故の予防に直結し、選手・審判・スタッフすべての健康を守ります 。
② 競技継続の両立:高温期でも試合の中止ではなく、形式を柔軟に変えながら継続できるというバランスを保ちます 。
③ 運営の信頼向上:WBGT測定や適用・解除基準が明確で、大会運営の透明性・一貫性が高まり、参加者や関係者の安心感につながります。
猛暑が常態化する昨今、ヒートルールは選手の安全と大会運営の質を両立させる、現代スポーツに不可欠な対策と言えます。
暑さ指数WBGTとは?
気温・湿度・日射などを総合的に考慮して、熱中症の危険度を示す指標です。数値が高いほど体への負担が大きく、28℃以上で警戒、31℃以上で運動の中止が推奨されます。スポーツ現場では、WBGTを参考に試合や練習の中止・短縮などの判断が行われます。
ヒートルール適応例

第46条ヒートルールに記載されていないルールも各大会ごとに設けられ、ヒートルールとして実行されています。
チェンジサービス時の水分補給が認められる
チェンジサービス時もチェンジサイズ時と同様に、ベンチでの休憩可能になるなど
まとめ
ヒートルールは真夏の猛暑下における熱中症予防を目的とした制度で、選手・審判・運営スタッフなどすべての関係者の安全を守る重要な仕組みです。日本ソフトテニス連盟は、2021年4月の競技規則改定で「乾球温度35℃以上かWBGT31℃以上かつファイナルゲーム時」に3分間の休憩を必須と定め、大会当日は1時間ごとに気温・WBGTを測定し、適用・解除を明確化しています
これにより、① 熱中症リスクの低減:高温での無制限プレーを避け、体温上昇を抑制します。② 試合継続と安全の両立:全試合中止ではなく、形式やルールを一時変更することで大会進行を維持します 。③ 運営の信頼性向上:気温やWBGTに基づいた対応をあらかじめ大会プログラムで周知し、基準の透明性と一貫性を担保することで、参加者の安心感を高めます 。
さらに多くの地方大会では、WBGT値に応じて「給水タイムや塩分補給」「クーリングブレイク」「ミスト設置」などが重層的に取り入れられ、総合的な暑熱対策が進化しています
まとめると、ヒートルールは猛暑が常態化する昨今において、科学的根拠(気温・WBGT)に基づき運用される「選手と運営の命を守る安全装置」であり、競技性を維持しつつ大会運営の質と信頼性を大幅に向上させる不可欠な制度です。
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