小山 寛晴(こやま ひろはる)選手— 「尽誠イズム」を継ぐ明治大学トップ前衛の戦術・戦績・使用ギアを徹底分析
日本のソフトテニス界が今、最も注目する若き才能の一人、小山寛晴(明治大学)選手。高校ソフトテニス界の絶対王者・尽誠学園高等学校で歴史的な3連覇に貢献した「黄金世代」の中核であり、現在は関東学生ソフトテニス連盟1部リーグという最高峰の舞台でその才能を研磨しています。
本記事は、小山選手が体現する「個の特異性」と「尽誠イズム」の正体、トップレベルの前衛に求められる空間認識能力、そして彼の競技的価値に分析します。
主要出典:小山寛晴選手に関する包括的分析報告書 (2025年12月4日時点)
目次
プロフィールと揺るぎない基盤(尽誠学園)
高校ソフトテニス界の「黄金世代」
- 氏名:小山 寛晴(こやま ひろはる / Koyama Hiroharu)
- 所属:明治大学(法学部法律学科) 体育会ソフトテニス部
- ポジション:前衛
- 出身ジュニア:鳩ヶ谷ジュニア
- 出身中学:芝東中学校
- 出身高校:尽誠学園高等学校(香川県)
- 好きな言葉:感謝感動日々成長
- 個人目標:インカレ個人団体優勝
- 主要実績(高校):全国高校選抜ソフトテニス大会 3連覇(チーム)、北海道インターハイ個人戦 ベスト4(第3位)
小山選手のキャリアにおいて、尽誠学園での3年間は最大の基盤です。尽誠学園では、「徹底したデータ分析」と「勝つことへの執着心」を植え付けられ、個人の技術だけでなく、「チームが勝つための組織論的な前衛の役割」を徹底的に叩き込まれました。
キャリアの形成と主要戦績タイムライン
高校での圧倒的実績から大学トップリーグへ
2023年北海道インターハイ:世代最高峰の証明
高校生活の集大成となったのが、2023年(令和5年)の北海道インターハイです。藤﨑広大選手とのペアで出場した個人戦では、約300ペアが参加する中でベスト4(第3位)という輝かしい成績を収め、技術、体力、精神力のすべてが世代トップクラスであることを客観的に証明しました。
主要戦績タイムライン(抜粋)
| 年月 | 大会名 | カテゴリ | 結果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2023.03 | 全日本高校選抜大会 | 団体 | 優勝 | 尽誠学園3連覇達成 |
| 2023.07 | 北海道インターハイ | 個人 | ベスト4 | 藤﨑・小山ペア |
| 2023.07 | 北海道インターハイ | 団体 | 優勝 | 尽誠学園 (5大会ぶり) |
| 2024.09 | 国民スポーツ大会 (佐賀) | 団体 | 出場 | 少年男子/成年男子枠 |
| 2024.11 | 関東学生秋季リーグ | 団体 | 2位 | 明治大学 (4勝1敗) |
| 2024.11 | 全日本選手権 | 個人 | 出場 | 天皇賜杯 |
技術的特性とプレースタイル分析(前衛の進化)
「静」から「動」への切り替えが鋭い現代型前衛
小山選手は、古典的な前衛の枠に収まらない「超進化型前衛」に分類されます。単なる反射神経だけでなく、相手の動きを先読みする思考の深さが彼のプレーを支えています。
空間認識能力と鉄壁のポジショニング
- 「ボールではなく相手を見る」能力:相手後衛のテイクバックや視線から打球コースを瞬時に予測します。
- ディフェンシブ・ポジショニング:無理なポーチを控え、自陣の穴を埋めるポジショニングを徹底。特にペアの後衛が苦しい体勢の時、中央寄りに位置取り、相手の攻撃的なシュートボールをブロックします。
- オフェンシブ・ポジショニング:味方が攻勢に出た瞬間、ネットとの距離を詰める「プレッシャー・ムーブ」が非常に鋭く、この静と動の切り替えが彼の得点源です。
スマッシュの決定力とボディバランス
- 体幹(コア)の強さ:ジャンプスマッシュにおいても体軸がぶれず、ボールにしっかりと体重を乗せることができるため、高い決定力を生み出します。
- コースの打ち分け:単に強打するだけでなく、相手前衛の動きを見て逆を突くコースへの打ち分けや、深いロブに対するハイボレーとの判断の速さも特筆されます。
現代前衛に必須なサービス&レシーブの優位性
- カットサーブの活用:前衛として、変化の大きいカットサーブで相手を崩し、短いラリーで決める展開を得意としていると推測されます。
- 攻撃的レシーブ:セカンドレシーブから積極的に回り込みフォアハンドで叩く、あるいは流し打ちで相手前衛を動かすなど、レシーブから主導権を握るスキルも高水準です。
明治大学での現在地と学生リーグの生態系
過酷な競争環境と戦術の高度化
小山選手が進学した明治大学は、関東学生ソフトテニス連盟1部リーグに所属する強豪校です。このリーグは、早稲田大学や日本体育大学などがひしめき合い、ナショナルチーム候補選手が多数在籍する最高峰の舞台です。
大学ソフトテニス特有の戦術的変化
- ダブルフォワードの一般化:両選手が前に出る「ダブルフォワード」陣形(両前衛の並行陣)が大学リーグでは頻繁に採用されます。これに対抗するためには、前衛であってもベースライン付近でのストローク力やパッシングショットの精度が求められています。
- パワーとスピードの増大:大学生の打球は高校生よりも初速が速く、重さがあります。これに対応するため、現在の小山選手のトレーニングテーマは、反応速度の向上とフィジカルの強化であると推測されます。
2024年11月の関東学生秋季リーグでは、明治大学は4勝1敗で2位という成績を収めており、このハイレベルな環境で日々練習を重ねることは、小山選手の成長を加速させる最大の要因となっています。
全日本選手権(天皇杯)への挑戦
小山選手は、実業団や社会人トッププレーヤーも参加する国内最高権威の大会である「天皇賜杯・皇后賜杯 全日本ソフトテニス選手権大会」にも出場しています。この事実は、彼がカテゴリーを超えた国内ランキング上位の実力者であることを示しており、その経験は今後のキャリアにおいて極めて重要な資産となります。
使用ギア(ラケット)
「操作性」と「決定力」を追求するインターフェース
ラケット
- 使用ラケット:ボルトレイジ7V
- インターハイの写真から使用しているラケットはボルトレイジ7Vと判定できます
- モデル
- ボルトレイジ7V:尽誠学園がミズノとサプライヤー契約を結んでいる背景から、使用歴や関与が高い前衛特化型ラケット。弾きの良さと正確なコントロール性能が特徴です。
- YONEX VOLTRAGE(ボルトレイジ) Vシリーズ:現代の高速テニスに対応した高反発・高剛性モデル。特にボレーのスピードを重視する選手に好まれます。
※本セクションは、写真から分析したものです
Hitting編集部 注目ポイント
G0-4敗戦が突きつけた「大学レベルの基準」
小山選手のキャリアにおいて、2023年北海道インターハイ準決勝での対 東北高校(根岸・中尾ペア)戦でのG0-4での敗退は、単なる敗戦以上の大きな意味を持ちます。この試合は、彼に「大学レベル、あるいはそれ以上」の基準を肌で感じさせる契機となりました。
戦術的敗因分析から読み解く課題
- 展開スピードの差異:東北ペアの圧倒的なボールスピードに対し、守勢に回る時間が長くなり、ファーストサーブからの展開力で後れを取りました。
- 前衛の機能不全:相手後衛(根岸選手)の広角に打ち分けるストロークに対し、小山選手の「読み」を上回る配球をされ、ポジションを制限されました。
この経験は、高校生としては最高到達点に近かった小山選手が、「さらに上の次元」が存在することを認識した瞬間です。大学進学後、フィジカルコンタクトや重いボールへの対応力の強化が彼の最重要課題となったのは、この準決勝の敗戦が強く影響していると推察されます。
将来展望:ナショナルチームへの道と競技的価値
進化を続ける求道者として
小山寛晴選手の次なる目標は、大学タイトル(インカレ優勝)の獲得**と、**全日本ナショナルチーム(U-20およびフル代表)への選出です。
彼のプレースタイルは、国際大会で求められる「海外選手のパワーに対抗できるフィジカル」と「緻密な戦術眼」を持った前衛という国際基準にも適合し得るものです。現在のハイレベルな環境での挑戦は、彼の成長速度を極限まで加速させています。
小山選手は、過去の栄光にすがるのではなく、常に「未来の勝利」を見据えて進化を続ける求道者です。彼が明治大学での4年間でどのような伝説を築き上げるのか、そしてその先で日本ソフトテニス界を牽引する**キーマン**となることは間違いありません。
フォトギャラリー
尽誠学園から明治大へ




まとめ
小山寛晴**選手は、尽誠学園で培った「鉄壁の守備」と「決定力の高い攻撃」を併せ持つ、現代ソフトテニス界が求める理想的な前衛像を体現しています。明治大学という新たな競争環境で、戦術の高度化とフィジカルの強化に取り組み続ける彼の存在は、「個の特異性」が勝敗を分ける現代ソフトテニス界の「現象」そのものです。今後の彼のキャリア、特にインカレやナショナルチーム選出に向けた動向から目が離せません。
参考・出典
- 現代ソフトテニスにおける前衛の進化と小山寛晴の競技的価値に関する包括的分析報告書 (2025年12月4日)
- ソフトテニスマガジン・ポータル
- ソフトテニヌの王女様の小部屋 (関東学生リーグ関連)
- 2023インターハイ全国高校総体 結果まとめ@個人戦
(注)本文は上記分析報告書および公開情報を基に作成しました。
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