岩倉彩佳(いわくらあやか)選手―プロフィール・戦績まとめ―皇后杯を制した「攻撃的後衛」の全貌

高橋選手と岩倉選手の写真
小田嶋俊佑
著者:小田嶋俊佑 (おだじましゅんすけ) Hitting編集部長
 
   
皇后杯王者分析 ソフトテニス界のパラダイムシフト
   

どんぐり北広島所属・岩倉彩佳選手— 皇后杯を制した「攻撃的後衛」の全貌

   

2025年、日本のソフトテニス界に「新女王」が誕生しました。どんぐり北広島に所属する後衛、岩倉彩佳選手です。本レポートでは、彼女がなぜ現代女子ソフトテニスの戦術を塗り替える存在となったのか、そのキャリア、技術、そして使用するラケット「VOLTRAGE 7V」と「ダブルフォワード」戦術を徹底的に分析し、岩倉選手の強さの秘密を全て公開します。

   

主要出典:どんぐり北広島メンバー紹介、ソフトテニスマガジン・ポータル、ヨネックス公式、YouTubeインタビュー 等。

 
   
   

人物プロファイルと基本データ

   

基本情報と人間的な魅力

       

      岩倉彩佳選手    

                                                                                   
氏名岩倉 彩佳(IWAKURA Ayaka)
生年月日2002年8月22日
身長159cm
利き手
ポジション後衛
出身地大分県
所属どんぐり北広島ソフトテニスクラブ
出身校野津Jr → 野津中 → 明豊高校
   

人柄を示すパーソナルデータ

   
         
  • テニスを始めたきっかけ:小学1年生の時、小学6年生の女子児童に誘われて [2]。
  •      
  • 得意なプレー:後ろから前のスマッシュ [2]。
  •      
  • 2025年の目標:皇后杯優勝(達成済み) [2]。
  •      
  • 趣味:YouTube鑑賞(特にコムドット) [2]。
  •      
  • 好きな食べ物:梅系全般、ドトールの黒糖タピオカ、砂ずり[2]。
  •    
   

出典:どんぐり北広島メンバー紹介 [2] 他

 
 
   

成長の軌跡:大分からどんぐり北広島へ

   

エリート育成環境での形成期

   
         
  1. 初期キャリア:大分県の野津ジュニア、野津中学校でソフトテニスの基礎を築きます。
  2.      
  3. 明豊高校時代:大分県の強豪・明豊高校に進学。2019年にはインターハイ予選女子団体で優勝を果たし、主力として活躍しました [3]。インターハイ個人戦では古田選手とペアを組み、全国トップレベルと互角に戦う実力を示しています [4]。
  4.      
  5. どんぐり北広島への加入:高校卒業後の進路として、広島県山県郡北広島町を拠点とする地域密着型クラブ「どんぐり北広島」を選択。この環境で、日本代表クラスの高橋乃綾選手と出会い、才能を一気に開花させることになります [2, 9]。
  6.    
   

「どんぐり北広島」は、一般的な実業団とは異なり、地域貢献を重視するユニークなクラブです。岩倉選手の選択は、競技力と地域との繋がりを重視する姿勢を反映している可能性があります [9]。

 
 
   

主要戦績と2025年の軌跡

   

「準優勝」の悔しさを経て辿り着いた頂点

                                                         
大会成績ペア
2025第80回 皇后賜杯全日本ソフトテニス選手権大会優勝高橋偲 (どんぐり北広島)
2025第52回 全日本社会人ソフトテニス選手権大会優勝高橋乃綾
2024第79回 皇后賜杯全日本ソフトテニス選手権大会準優勝高橋乃綾
第78回 西日本ソフトテニス選手権大会準優勝
   

2025年シーズンは、皇后杯の前哨戦となる「全日本社会人選手権」で優勝を果たし [5]、社会人トップクラスの実力を証明。前年の皇后杯準優勝の悔しさをバネに、2025年の目標であった「皇后杯優勝」を達成しました [2]。

 
   

プレースタイル分析:後衛の枠を超えた攻撃性

   

現代ソフトテニスが求める「オールラウンド後衛」

   

「後衛」の概念を覆すプレー

   

岩倉選手のポジションは「後衛」ですが、そのプレーは伝統的な後衛の枠に収まりません。彼女の最大の武器は、ベースラインから積極的にネットへ詰める「後ろから前のスマッシュ」であり [2]、守備範囲の広さと、コートの縦方向への推進力を兼ね備えています。

   

超攻撃的陣形「ダブルフォワード」への適応

   

高橋/岩倉ペアは、サーバー・レシーバーの両方がネットプレーに参加する「ダブルフォワード」の陣形を多用します [1]。後衛である岩倉選手がこの陣形を成立させるには、高いボレー技術と反射神経が不可欠であり、彼女が実質的に「第二の前衛」としても機能できるハイブリッドなプレイヤーであることを示しています。

   

決定的な武器「沈むカットサービス」

   

皇后杯決勝の最終ゲームで優勝への決定打となったのが、岩倉選手の「沈むカットサービス」です [1]。極限のプレッシャー下で、繊細なタッチが要求されるこの技術を選択し成功させるメンタルの強さと技術の高さは、彼女が単なる強打者ではない、戦略的なトッププレイヤーであることを裏付けています [10]。

 
   

使用ギア

   

機材が裏付ける攻撃的プレースタイル

   

ラケット:YONEX VOLTRAGE 7V

   

岩倉選手が使用するのは、ヨネックスのスピード重視シリーズ「VOLTRAGE」の前衛向けモデル「7V」です [2]。

   

後衛でありながら「V」(前衛向け)モデルを選ぶ理由は、彼女が重視する「後ろから前のスマッシュ」や「ダブルフォワード」での操作性と、ネットプレーでの取り回しの良さを優先しているためと考えられます。ベースラインでのストローク威力よりも、縦横無尽なプレーにおける俊敏性を高める戦略的な選択です。

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ストリング:YONEX POLYACTION INVOKE

   

使用ストリングは、ハイポリマーポリエステル製の「POLYACTION INVOKE(ポリアクション インヴォーク)」です [7]。

   

ポリエステル特有の硬さと弾きに加え、「クリスプレブコーティング」によるスナップバック(ガットが動いて戻る力)を利用した高い回転性能が特徴です [7]。女子選手としては珍しくポリエステル系を使用していることは、岩倉選手が十分なスイングスピードとインパクトの強さを持っている証明であり、スマッシュ、鋭いボレー、そしてカットサーブの威力向上に貢献しています。

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2025年皇后杯制覇への道のり

   

技術とメンタルが融合したリベンジストーリー

        

準決勝:劣勢を覆した戦術転換(対 浪岡/久保戦)

   

準決勝では、実業団・ナガセケンコーの浪岡/久保ペアに対し、序盤G1-3とリードされる苦しい展開となりました。窮地に立たされた岩倉選手は、より攻撃的にネットプレーに絡む戦術へと即座に転換 [1]。この大胆な判断と実行力が流れを一変させ、怒涛の4ゲーム連取でG5-3と逆転勝利を収めました。劣勢を跳ね返すメンタルタフネスが際立った一戦です。

   

決勝:変幻自在の陣形で圧倒(対 天間/左近戦)

   

決勝戦では、準決勝とは対照的に序盤から主導権を握ります。ダブルフォワード陣形を駆使して相手にプレッシャーをかけ続け [1]、相手選手が「やりたいプレーをさせてもらえなかった」と語るほどの完勝劇となりました。最終ゲームでは、岩倉選手の「沈むカットサーブ」が炸裂し、ストレート勝利(G5-0と推測)で悲願の初優勝を遂げました [1]。

 
   

高橋偲選手との最強パートナーシップ

   

女王を生んだ「化学反応」

   

岩倉選手の皇后杯優勝は、日本代表クラスの実力を持つパートナー、高橋偲選手の存在なしには語れません。高橋選手は岩倉選手の攻撃性を最大限に引き出す司令塔であり、コート上で見せる二人の「笑顔」は、極限状態でのリラックス効果を生み出し、パフォーマンスを安定させる重要な要素となっていました [8]。このパートナーシップが、岩倉選手を日本の頂点へと導いた「化学反応」の源です。

 
   

Hitting編集部 注目ポイント

   

地域クラブが日本一を証明した快挙

   

岩倉選手の活躍は、所属する「どんぐり北広島」というクラブチームの価値を全国に知らしめました。これは、潤沢な資金を持つ企業チーム(実業団)が席巻するソフトテニス界において、地域に根差したクラブでも日本一になれるということを証明した、極めて価値の高い成功モデルです [9]。

   

また、彼女が牽引する「後衛のネットプレー参加」「ダブルフォワード」は、現代ソフトテニス界における戦術のパラダイムシフトを象徴しています。岩倉選手は、ラケット(VOLTRAGE 7V)の選択から戦術に至るまで、全てが「攻撃的」に設計された次世代のスタンダードプレイヤーと言えるでしょう。

 
 
   

結論と将来展望

   

岩倉彩佳選手は、2025年の皇后杯優勝により、名実ともに日本のソフトテニス界を牽引する存在となりました。彼女の「攻撃的後衛」としてのプレースタイルは、次世代のスタンダードとなる可能性を秘めています。今後は、皇后杯王者としてのタイトルの防衛に加え、日本代表としてアジア競技大会や世界選手権などの国際舞台での活躍が強く期待されます。

   

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