尽誠学園(じんせいがくえん)高等学校特集―高校ソフトテニス界の絶対王者

尽誠学園高等学校ソフトテニス部の集合写真
【完全解剖】尽誠学園ソフトテニス部:黄金時代(2023-2025)の全貌と「シンプル&ストロング」の哲学
Hitting編集部
著者:Hitting編集部 ソフトテニス専門メディア
学校特集 高校ソフトテニス界の絶対王者

尽誠学園ソフトテニス部:黄金時代の全貌と「シンプル&ストロング」の哲学

2020年代、高校ソフトテニス界に一つの「王朝」が完成しました。香川県・尽誠学園高等学校。2023年の歴史的な「三冠(インターハイ・国体・選抜)」達成、そして2025年3月の前人未到「選抜4連覇」。なぜ彼らはこれほどまでに勝ち続けられるのか?その強さの源泉となる「1本の質」へのこだわり、指導哲学、そして勝利を生み出す環境まで、徹底的に分析します。

尽誠テニスの哲学「One Ball Quality」

派手さよりも「質」を追求する職人集団

尽誠学園の強さを語る上で欠かせないのが、森博朗監督が掲げる「1本の質」という概念です。彼らのテニスは、一発で決める派手なスーパープレーを追い求めるものではありません。極限まで無駄を削ぎ落とし、ミスのない「質の高い1球」を積み重ねるスタイルです。

「待つ」ことの美学と身体操作

「打つ時に足が動いている。だからボールが浮く。止まって、それから動く」
— 森康行 総監督

総監督である森康行氏の指導は、徹底して「足」と「タメ」にフォーカスしています。現代の高速ラリーにおいても、彼らはボールがバウンドした後まで我慢し(Wait)、相手の予測を外すタイミングで強力なカウンターを放ちます。この「静と動」のコントラストこそが、尽誠テニスの真髄です。

団結した心

技術を支えるのは強靭なメンタリティです。2024年の選抜大会前、チームは「本当に悔しい負け方」を経験し、そこから「団結した心」を再構築しました。ベンチ、応援席を含めた「チーム全体の波」を作る能力において、彼らは他校を圧倒しています。

戦績クロニクル(2023-2025)

27年ぶりの伝説と、前人未到の記録

年度大会結果備考
2023全国高校選抜優勝連覇達成
2023インターハイ優勝夏春連覇・団体戦制覇
2023鹿児島国体優勝27年ぶりの三冠達成 [1]
2024全国高校選抜優勝史上初の3連覇 [4]
2024インターハイ優勝夏4連覇(通算6度目) [5]
2024SAGA国スポ準優勝宿敵・奈良県に惜敗 [6]
2025全国高校選抜優勝前人未到の4連覇 [3]
2025インターハイ個人優勝団体は岡崎城西が優勝、個人は尽誠ペアが制覇 [9]

※2023年の三冠達成は、1996年の高田商業以来の快挙でした。

勝利の工場:環境とインフラ

強さを支える「ダブル・モリ」体制と設備

指導体制のシナジー

  • 森康行(総監督):精神的支柱。フィジカルと基本動作、「忍耐」を説く人間教育のプロフェッショナル。
  • 森博朗(監督):戦術のエンジニア。データ分析と最新理論を駆使し、「なぜそのショットか」を選手に考えさせる。

善通寺の要塞:オムニコート4面

2021年に大規模改修された4面のオムニコート(砂入り人工芝)は、インターハイなどの主要大会と同じ環境です。日常から本番と同じバウンド感覚で練習できることは、「1本の質」を追求する上で計り知れないアドバンテージとなっています [10]。

Hitting編集部 注目ポイント

「3年周期」の壁を越えるシステム

高校スポーツ最大の課題は、3年で選手が完全に入れ替わることです。しかし、尽誠学園は選抜大会で4連覇(2022-2025)を達成しました。これは、特定のスター選手に依存しない「尽誠システム」が完成している証拠です。

特に注目すべきは、寮生活を通じた「24時間のチームビルディング」です。先輩から後輩へ、技術だけでなく「尽誠のイズム(哲学)」が継承されるサイクルが確立されています。2025年インターハイ団体戦での敗北(岡崎城西の優勝) [7] は、このシステムに新たな進化を促す「良薬」となるでしょう。絶対王者が敗北からどう立ち上がるか、来シーズンのドラマに要注目です。

結論:尽誠学園が示す未来

2023年から2025年にかけての尽誠学園の歩みは、日本の高校スポーツ史に残る壮大なドラマでした。2025年夏のインターハイ団体戦で連覇は途絶えましたが、個人戦では亀安・関口ペアが優勝 [9] するなど、その実力は依然としてトップレベルです。

「追われる立場」から「挑戦者」へ。新たなフェーズに入った尽誠学園は、より強固な「シンプル&ストロング」を携えてコートに帰ってくるはずです。

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