小田嶋俊佑
著者:小田嶋俊佑 (おだじましゅんすけ) Hitting編集部長
選手特集 明治大学ソフトテニス部の精神的支柱

明治大学ソフトテニス部・中村悠峰選手の全軌跡:能登高校での双璧から大学界最高峰への歩みと戦術・使用ギア徹底解説

日本の学生ソフトテニス界において、現在もっとも高い注目を浴びる前衛のスペシャリストが、明治大学ソフトテニス部に所属する中村悠峰(なかむら ゆうほう)選手です。圧倒的なネットプレーと、ここぞという場面でも揺るがない精神力を武器に、高校・大学の双方で数々の全国タイトルを獲得してきました。今回は、中村悠峰選手のプロフィール、これまでの輝かしい戦績、相棒である岡田侑也選手とのコンビネーション、プレースタイル、そして超攻撃的プレーを支える使用ギアのセッティングまでを分かりやすく解説します!

主要出典:明治大学体育会ソフトテニス部公式、ヨネックス公式、ルーセント公式、ソフトテニスマガジン・ポータル、YouTube公式動画など。

プロフィール

基本情報

中村悠峰選手

  • 氏名:中村 悠峰(なかむら ゆうほう / なかむら ゆうほ)
  • 所属:明治大学 体育会ソフトテニス部
  • 学年・学部:4年(2026年度現在) / 経営学部 公共経営学科
  • 役職:寮長
  • ポジション:前衛(ネットプレーヤー)
  • 出身地:福井県
  • 出身校・クラブ:三国ジュニア → 福井市立棗中学校 → 石川県立能登高校
  • 得意なプレー:ローボレー、スマッシュ
  • 入部動機:日本一を取りたいから
  • 好きな言葉:普通の人間になりたい
  • チーム目標:大学対抗(インカレ団体)優勝
  • 個人目標:天皇杯優勝、ナショナルチーム入り

出典:明治大学体育会ソフトテニス部 部員紹介

経歴

名門・能登高校から大学界の頂点へ

  1. ジュニア〜中学校時代(福井県):福井県の強豪クラブ「三国ジュニア」でソフトテニスの基礎を徹底的に叩き込まれました。その後、福井市立棗中学校に進学し、全国にその名を轟かせるための基盤を築き上げました。
  2. 高校時代(石川県・能登高校):さらなる高みを目指して石川県立能登高校へ越境進学し、その才能を一気に開花させました。絶対的な前衛として全国大会の常連となり、2021年のインターハイ石川県予選では団体優勝に大貢献。3年次(2022年)にはハイスクールJカップ予選、インターハイ予選でシングルス・ダブルスともに制覇するなど県内無敵の存在となりました。国体でも石川県代表のエースとして活躍し、シングルスでも全国トップレベルのストローク力があることを見せつけました。
  3. 大学時代(明治大学):明治大学進学後は、1年生の時から即戦力として大活躍。2023年のインカレ団体戦では、明治大学を5年ぶり2回目の頂点へと導く劇的な優勝を達成しました。現在は最終学年である4年生を迎え、チームの「寮長」という大役を務めながら、競技人生の集大成となるシーズンを戦っています。

主な戦績

高校・大学での主要大会の記録

大会 カテゴリ・種目 成績 ペア・備考
2021石川県高校総体(インターハイ予選)男子団体優勝能登高校(3大会連続8回目)
2022石川県高校春季大会男子シングルス / ダブルス優勝(2冠)ダブルスペア:宮下武輝
2022石川県高校総体(インターハイ予選)男子団体 / 個人ダブルス優勝(2冠)ダブルスペア:宮下武輝
2022第77回 いちご一会とちぎ国体少年男子(石川県代表)5-6位決定戦シングルス・ダブルスの双方で出場
2023全日本大学対抗選手権(インカレ)男子団体優勝明治大学(5年ぶり2回目)
2023関東学生新進大会男子ダブルス準優勝ペア:岡田侑也
2025全日本大学対抗選手権(インカレ)男子団体第3位明治大学
2025全日本学生選手権(インカレ個人)男子個人ダブルス準優勝ペア:岡田侑也(決勝で片岡/黒坂に敗退)
2025全日本選手権(天皇杯)一般男子ダブルスベスト8ペア:岡田侑也
2026第66回 東京インドア2026一般男子ダブルス初出場ペア:岡田侑也(最高峰の招待制大会)
2026全日本シングルス選手権男子シングルス2回戦進出対:池上陽介(ヨシザワ)
2026第77回 関東ソフトテニス選手権一般男子ダブルス準優勝ペア:岡田侑也(決勝で植田/伊藤に敗退)

プレースタイル・技術戦術分析

高速ラリーを支配する超攻撃的ネットプレー

中村悠峰選手の前衛としての最大の強みは、「高速ラリーへの極めて高い反応速度」「ローボレーおよびスマッシュの決定力」にあります。

① 苦手を武器に変える「ローボレー」

多くの前衛が苦手とする足元の低いボール(ローボレー)を、中村選手は低い姿勢を保ったまま正確にコントロールし、一瞬で攻撃のチャンスへと変えることができます。相手のシュートボールに負けない強固な面の作り方が秀逸です。

② 圧倒的な跳躍力から放たれる「スマッシュ」

相手後衛がネットを越そうとするロビングに対しては、持ち前の高い跳躍力と正確な打点管理によって、確実にコートへ叩き込み、ポイントを仕留めます。

③ 勝負所で力を発揮する「精神力」

中村選手の好きな言葉である「普通の人間になりたい」という表現には、深い意味が込められています。これは、大きなプレッシャーがかかる大舞台でも、欲や緊張を捨てて、普段通りの「普通」のパフォーマンスを再現することの大切さを突いた言葉です。この冷静な自己制御能力(メンタルコントロール)こそが、インカレや天皇杯といった大舞台でストレート勝ちを収められる大きな要因となっています。

歴代・現行ペアのシナジー

お互いの強みを引き出す最強のパートナーたち

岡田 侑也(おかだ ゆうや):明治大学での最強の双璧

とわの森三愛高校出身の後衛であり、現在は明治大学の主務兼副将を務める岡田選手とのペアは、現在の大学ソフトテニス界で最強の一角を担っています。岡田選手の破壊力あるサーブや鋭いストロークで相手を崩し、浮いたボールを中村選手が冷徹なボレーで仕留めるという、完璧なコンビネーションを確立しています。
2025年のインカレ個人ダブルス準優勝、天皇杯ベスト8、2026年関東選手権準優勝など、数々の大舞台でその強さを証明し続けています。

宮下 武輝(みやした たてき):能登高校時代の相棒

高校時代のパートナーであり、2022年の石川県春季大会やインターハイ予選でダブルス優勝を飾り、能登高校の「2冠」を支えた名後衛です。高校時代にこのペアで培った盤石な基礎技術が、現在の中村選手のベースとなっています。

使用装備(ラケット・ストリング解析)

超高速テニスに対応するストイックなセッティング

現代のスピード化したソフトテニスに対応するため、中村選手が絶大な信頼を寄せるセッティングがこちらです。

ギア項目 採用モデル・数値
使用ラケットYONEX VOLTRAGE 8V(ボルトレイジ8V)
ストリング(メイン/縦糸)YONEX ポリアクションインヴォーク(POLYACTION INVOKE)
ストリング(クロス/横糸)YONEX Vスパーク(V-SPARK)
テンション(硬さ)32ポンド

ハイブリッドセッティングと驚異の32ポンド

ヨネックスの前衛用フラッグシップモデルである「ボルトレイジ8V」に、異なる特性を持つガットを組み合わせたハイブリッドセッティングを採用しています。
縦糸のポリアクションインヴォークが持つ「高いホールド感とコントロール性能」に、横糸のVスパークによる「鋭い弾きと金属的な打球感」をプラスすることで、正確なローボレーと強烈なスマッシュを両立させています。

さらに、テンションは一般のプレーヤーではボールを飛ばすことすら難しい「32ポンド」という極めて硬い設定です。これによりボールとガットの接触時間を限界まで短くし、相手後衛の強力なシュートボールに対して、コンマ数秒の最速の面返しを可能にしています。

Hitting編集部 注目ポイント

「普通の人間になりたい」に隠された、王者のメンタリティ

Hitting編集部がもっとも注目するのは、中村悠峰選手の「心の強さ」と、それを支えるチームでの役割です。

中村選手は現在、明治大学ソフトテニス部の「寮長」という重大な役職を任されています。共同生活の規律を守り、個性豊かな部員たちを一つにまとめる精神的支柱としての経験が、試合中のピンチでも崩れない、どっしりとしたキャプテンシーを生み出しています。

2025年インカレ団体戦の同志社大学戦で見せた、アウェイの猛烈な応援の中でも一切動じずにストレート勝ちを収めたシーンは、まさに彼が掲げる「普通の人間になりたい(=どんな時でも平然といつも通りのプレーをする)」という哲学が体現された瞬間でした。中高生の皆さんも、試合で緊張したときこそ「いつも通り、普通にやろう」と心の中で唱えてみると、中村選手のような素晴らしいボレーができるかもしれません!

今後の展望・日本代表への挑戦

悲願の大学王座奪還、そして世界の舞台へ

大学最終学年(4年生)となった中村悠峰選手が挑む今シーズンの目標は、非常に明確です。

チームとしての目標である「大学対抗(インカレ団体)優勝」、そして個人としての「天皇杯優勝」、さらには「ナショナルチーム(日本代表)入り」です。すでにヨネックスの強化選手リストにも名を連ねており、学生の枠を超えて、次代の日本ソフトテニス界を背負う前衛として大きな期待が寄せられています。

能登高校時代に培った盤石な技術、明治大学の寮長として磨かれたリーダーシップ、そして相棒の岡田選手との深い信頼関係。これらすべてが噛み合った中村選手が、学生最後のシーズンでどのような伝説を作るのか、これからの活躍から一瞬たりとも目が離せません!

まとめ

中村悠峰選手は、三国ジュニアから棗中、能登高校、そして明治大学へと、まさに日本のソフトテニス界のエリート街道を突き進んできたトッププレイヤーです。しかしその裏には、強固な体幹を作るための地道な体作りと、32ポンドの硬いラケットを使いこなすストイックな努力、そして「普通の人間になりたい」という謙虚ながらも力強い哲学があります。学生最後の1年、相棒・岡田選手と共に悲願の日本一を掴み取る瞬間を、みんなで応援しましょう!

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